住宅ローンを利用するとき、「公的融資から」という従来の一般的な組み方が、構造改革、金融再編によって、塗り替えられてきました。
公的融資の場合、仕組みや特長はどの機関から申し込んでも条件は同じでしたが、銀行ローンは、銀行によって仕組みや特長は異なります。
金融再編が進んだといっても、複数の銀行の中から、自分に一番適した銀行を選ぶというのは、そう簡単なことではありません。
さらに、銀行ごとのキャンペーンや新商品の発売など、今後は一層充実されてくるでしょう。
銀行ローンの情報は、目が離せなくなります。
ローンの申し込みから融資実行まで
ローンの申し込みから融資実行までの手続きは、銀行融資も従来の公的融資と大差ありません。しかし、融資実行までの時間は大きく異なってきます。
公的融資の場合、申し込んでも融資実行までに2〜3カ月かかっていますが、銀行融資だと2〜3週間で実行となります。今まで、建物を引き渡しまでの間に起こった矛盾が解消されるのです。
公的融資は「ローン契約は原則として所有者移転登記が済んでから」ということが前提でしたから、マイホームの引き渡しには、間に合いませんでした。
「業者に代金全額支払ってから、建物の引き渡し」という契約書の取り決め通りにはいかなくなるので、その間、つなぎ融資を受けなければならなかったのです。当然つなぎ融資には費用がかかっていました。
銀行融資の場合、申し込みから実行までが早いため、つなぎ融資は受けなくてすみます。
ただし、この融資は年齢、収入、借り入れ期間、返済額など、様々なことが理由で希望通りの金額が借りられない場合があります。
こうした事態に備えて「ローン条項」があります。この「ローン条項」とは契約書の中に明記され、「融資が不成立の場合、契約は白紙に戻す」というものです。
ローンによって生じる費用
融資を受けるときに事務手数料や保証料、登記費用などの「諸費用」がかかります。
この「諸費用」は、資金計画のときに、あらかじめ組み込んでおきます。
融資額によっても異なりますが、1000万円を20年間で返済の場合、ローン保証料は15万円前後、事務手数料が3万円程度、印紙税が2万円、その他登記免許税、司法書士への報酬、各種保険料などが必要となります。
保証料 銀行の場合、保証会社による保証をつけています。
連帯保証人に替わる保証機関(保証会社)に一括で支払うのが「保証料」です。
保証料は、借入金額や融資機関、年収などに占める割合で金額が異なります。
1000万円を20年間で返済の場合、保証料は15万円前後ですが、融資額が2000万円や3000万円だったり、返済期間が30年や35年だったりすると金額はさらに増え、数十万円用意しておかなければなりません。
金融機関によっては、保証料を一括ではなく月額支払いとなるところもあります。事務手数料 借り入れの金額の額に関係なく、申し込み1回(1件)につき一定の金額がかかります。
銀行の場合「事務手数料」は、消費税込みで31500円です。
金融機関によっては、この事務手数料を無料にするところもあります。団体信用生命保険 住宅ローンを組むとき、銀行では「団体信用生命保険」に加入することを義務づけています。
「団体信用生命保険」は、返済期間中に返済者に万一があったときに残りの返済金を保証してくれる保険です。ただし、銀行の場合、この保険料は金利に上乗せしているので、改めて支払うことはありません。
最近では、病気や失業などが原因でローンの支払いが滞った場合に備えての「返済支援保険」もあり、注目されています。火災保険 火災保険の加入は原則として、義務づけられています。保険料は建物評価額、構造、地域、保険期間などによって異なります。 登録免許税 融資を受けるときは担保が必要となりますので、銀行ローンの場合も抵当権を設定するため「登録免許税」とその手続きを行ってもらう司法書士への報酬が必要となってきます。 印紙税 住宅を取得するときに作成する請負契約書や金銭消費貸借契約書などを交わすときかかるのが印紙税です。印紙税は、契約書に収入印紙を貼って消印することで納税します。
固定金利と変動金利、どちらを選ぶ?
銀行ローンの場合、種類がたくさんありますが、どのタイプを選べば自分にとって一番トクなのかが、大きなポイントになるでしょう。
最初に考えることは、固定金利と変動金利、どちらを選んだらいいのかということでしょう。
融資金額や期間によって、異なりますが、現在のように低金利が続いてると、「何が何でも固定金利」とこだわることはありません。
変動金利の場合、上がることを想定して「不安」になるという方が多いのですが、高金利のときに借り入れをした固定金利よりも、ならしてみれば、かえって変動金利のほうが安くなることもあるのです。
固定金利型契約時に決まった金利が完済時まで適用されます。 変動金利型毎年4月と10月時点で適用金利が改定されます。 固定金利選択型一定期間は、契約時の金利が適用され、一定期間が経過した時点でその後の金利タイプについて固定金利選択型か変動金利型のどちらかを選択できます。
一定期間の設定は、3、5、7、10年のように各金融機関で様々です。
金利タイプの変更にあたっては手数料をとる金融機関もあります。 上限金利設定型金利が上昇しても、契約時に決めた上限金利以上には適用金利が上昇しないように特約をつけた変動金利型ローンです。
特約がついた分、通常の変動金利型よりも金利が高くなっています。返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
銀行の場合、ほとんどが「元利均等返済」となっています。
元利均等返済 元金均等返済 利息の総額を計算し、元金と利息の金額が毎月同額になるように配分し、毎月の返済額は固定金利型の場合は完済時まで一定です。
(変動金利型の場合、返済額は5年毎に改定されます。増加する場合は増加幅を25%以内に抑えるルールがあります。 )
返済額が一定なので、月々の計画が立てやすいことと、元金均等返済に比べて、当初の毎月の返済額が少ないのがメリットです。
デメリットは、返済額の最初の期間は、ほとんど利子分だけを支払っているだけで、借り入れをした元金そのものは減っていないことと、元金均等返済より総額は高くなります。毎月の返済額の元金を一定にし、利息部分を毎月の返済額に上乗せしていきます。
当初の支払いは高く、後半の支払いが軽くなる方法です。利息部分が減りますので、月をおうごとに返済金額は減っていきます。
最初に、頑張って支払いをしてしまえば、後々のローン負担が軽くなり、負担が軽くなった部分を他の目的に費用を回すことができます。また、元利均等返済よりも総額は安くすみます。
ただし、毎月支払い金額が変わるので、計画が立てにくいことと、一番費用がかかる当初にローン負担が大きいのは、所持金にゆとりのある方に向いています。